チャッピー(以下チ):ではまず、2003年のビールかけの話から。
金澤選手(以下金):だいぶ前の話ですね〜。どこ行っても言われますよ。(苦笑)
:観てたんスよ。
KATSUMI(以下K):え?何それ??
:観てないんか?
:知らん知らん!
:茨城弁で喋ったんですよ。それが地元帰ったら、もう「そんなナマッてないやろ」
って言われるんですけど。インタビューで「(優勝した時に)どこにいたんですか?」って。
で、「ベンチにいた」って茨城弁で喋ったんですよ。
:え?そんなに違うもんですか?
:ボクも何言ってるのか…あ、スミマセンね。(笑)何言ってるのか分からんかった。
:それは咄嗟に出てしまったんスよね、茨城弁が。(笑)何か知らんけど。嬉しかったもんで…。
:でも、やっぱ抜けへんでしょ、地元の言葉とか。
:たまにモノをポッと言った時、イントネーションが違う事は多々ありますけど。
:茨城いうたら、井川選手もそうですよね?
:そうです、井川選手もです。
:やっぱり喋ったら、お互い茨城弁ですか?
:わざと喋ってますけどね。でも、井川選手の方が、まだ抜けてない。俺はある程度抜けましたけど。2年千葉にいたんで。
:あ、そうなんですか。
:社会人(野球)で。…まぁ、あまり関係ないですけど、千葉なんで。(苦笑)
:俺はこっち(関西)が長いから、茨城とかも全部関東やと思ってしまうんですよね。
:…。
:(笑)ナニ?めっちゃ笑っとりますね!
:(笑)いや、他の人曰く、南東北らしいんですよ。でも、そこは譲れない。絶対関東ですよ。間違いない。
:へぇ〜、関東いうイメージあるけど違うんですね。
:こっち(関西)おったら関東いうイメージあるのに。
:絶対に南東北いわれます。
:でも、何か横浜の人は「埼玉には負けてへん」とか、ようあるやないですか。そういうのとかあるんですか?
:千葉の人に茨城をバカにされると「チバラキでしょ?一緒や〜ん」ってのはあります。
群馬、栃木にも「海ないやん」みたいな。
:あ、海は結構大きいんや。(笑)
:大きいでしょ、海は。海もあって山もあるんですから。
:それってイナカゆう事ちゃいますの。(笑)
:ある意味、条件は神戸と一緒ですよ。考えようによってはオシャレ。
:あ、それ、これから使わせてもらいます。(笑)

:阪神に入るってなった時ってどうでした?
:嬉しかったですよ、単に。
:でも、ブッちゃけた話、そのぉ、関東に住んでると…。
:あ〜、もぉジャイアンツファンですね。まぁファンというか…。親父とかが、やっぱり長嶋・野村世代なんで。
ジャイアンツというよりは、長嶋監督を応援するカンジで。テレビつけたら、絶対ジャイアンツしかやってないじゃないですか。
ジャイアンツ対タイガースがやってたら観るけど…っていう話で。
:そうなんですよね!ほんま、俺もあっち(関東)住んで、阪神戦が観られへんですよね。サンテレビがないもんなー。
:こっちは、いつでも観れますよ、ある程度。
:せやろ。せやから貴重ですもんね、なかなか観れないから。ほんまに…。

:野球選手になると、遠征とか大変でしょ?
:そうですね、移動がやっぱしんどいですね。
:特に交流戦とかになったら。
:飛行機で行く場合もありますんで。
:一回電話した事あったでしょ?移動の時。「うわぁ大変なんやな〜」って。
まさか、その日に移動してるって思わなかったんで。
:6連戦になると、そういう時が多いんで。その日を、とりあえず頑張ろうって感じですね、皆で。
やらないと仕事にならないですから。疲れたから休める訳じゃないんで。そ
れ含めて仕事なんですよね。
:そうですよね。自分の管理も含めてですよね。

:中継ぎでいく精神力ってスゴイですよね。
:まぁ慣れです。
:慣れるもんなんですか?
:人前で歌うのも慣れでしょ?最初は緊張しますけど、慣れじゃないですか。
:歌うのとかはそうですけど。それじゃその緊張ってのは、どうなんですか?最初は。
「嫌やな〜」ってのか「ちょっとこれ気持ち良いわ」みたいのか。
:頭ん中まっ白でしたよ。一番初めは。覚えてないですね。
:初登板とか覚えてないですか?
:ジャイアンツ戦の甲子園で松井さんやったんですよ。
:うわぁ〜…。
:「どうしよ〜…」って。まぁ取りあえず言って、サイン見たら見えないんですよ、サインが。目悪くて。
(笑)初登板だったから。ナイターやった事なかったから。
2球くらい投げてからキャッチャー呼んで「すいません、サイン見えません」って(笑)
その日はしのいだんですけど、その日のうちに「コンタクト作りたいんで」って眼科行って作ってもらって。
:そういう苦労もあるんですねぇ。
:いきなりナイター投げ始めると見えないんです。
:ナイターって昼と全然違います?
:全然違いますよ。ナイターの時はコンタクトで。今はしてませんけど。ボヤけて見えない。
運転してても、矢印の信号あるじゃないですか。あれ見えないですもん。
だから、他の車とか見て、なんとなく勘で行く。(笑)
:乗らん方がええですよ。(笑)相当悪いんですね。
:でも、赤とか黄色とかは分かります。
:(笑)それ分からなかったら…。
:それが分かるから大丈夫なんです。適当。ピッチングも。(笑)

:中継ぎの話なんですけど。例えばね、ピンチの時とか出る訳でしょ?
:あれは準備と開き直りですわ。とりあえず、ブルペンで次投げるまで時間あるじゃないですか。
その時は、ブルペンで集中して。テレビは映ってるんで、それ観ながら。
自分をマックスまで上げて出ていく訳です。頭の中で、そのバッターはどういうのかってのを考えて、
こういうような攻めをすれば何とかなるかなって、自分の中で押さえているイメージして。
電話かかってきて“交替”ってなったら、スッといけるように用意してるんで。
マウンド行ったら、そのイメージしかないから。で、矢野さんのサイン、いらんかったら首振るし。
あんま首振りたくないんですけどね。違うと思ったら、やっぱり首振りますし。
で、その結果が良かったら、自分の思った通り出来たっていうのは自信になりますし、次にも繋がるんで。
まぁ打たれた時は、また反省せなアカンけど。全部が全部押さえられるってのは誰もいないんで。




:やっぱり矢野さんってのは、俺のイメージからしたら、野村監督が来てからスゴイキャッチャーになったなーって思うんですけど。
:野村監督はキャッチャーですからね。『野村の考え』ってあったじゃないですか。ほんま素晴らしい事書いてあるんですよ。
:俺も、ちっちゃい頃に『敵は我にあり』って野村監督の本読みましたもん。子供ながらに「スゴイな〜」って。
それにしても、阪神は、普通に強いチームになりましたねー。
:そうですね。ピッチャーも良いですからね。打線も軸がしっかりしてるんで。強いですよね。

:対戦してみたい相手とかいます?例えば、メジャーとかでもいいですし。
:…そんな考えた事ないですねぇ。マウンド立ったら、皆一緒だから。強い弱いはありますけど。
マウンド立ったら“対バッター”なんで。もぉ一緒なんですよ。自分の投球すればいいと思ってるから。
他のバッターがどうだってなると、今度は自分が狂ってしまうんで。
だから、ブルペンのイメージしながらやってるから、対バッターに対しての攻め方になってくるんで。
:イメージって大事ですよね〜。
:だから、別に何とも思わないですね。外国人とか怖いですけど。(笑)変な風になったらねぇ。
でも、逃げたら…勝つと思いますよ。(笑)
:(笑)追いつけない。
:ほんま速いもんな。(笑)

:でも…5万人でしょ?俺も、ガキのじぶんから西宮やから、小学校と中学校で連合体育大会ってのが
甲子園球場であるんですよ。大概の人はスタンドの風景しか知らんからアレですけど、
全ッ然違いますもんね。どえらい所で野球やってんな〜って。
:甲子園は、やっぱり阪神ファンが多いので、攻撃してる時はスゴイけど、投げてる時はチョコッといるだけで。
自分の世界に入れるんです、逆に。一番しんどいのは7回表ですよね。投げてると、皆風船膨らましてるから。(笑)
「こりゃ押さえなアカンわ」ってなりますよ。(笑)ここで点入ったら…「うわぁ〜!」って思います。
:それが今日(6月24日)ですね。
:ね。打たれましたね。これが一番キツイですわ。2004年かな。しんどかったッス(苦笑)
寿命縮みますよ。マウンドで「ゴメンナサイ!」いうて。(笑)
:じゃあ、これから風船飛ばさんように気ぃつけて。(笑)
:なんでや!
:絶対無理ですよ。一杯いますから。五万といますから。(笑)